『白鳥の湖』とはどんなバレエ?チャイコフスキーの初バレエ音楽と物語・歴史・英語表現

『白鳥の湖』はチャイコフスキーが作曲した初のバレエ音楽であり、ドイツを舞台にオデットとジークフリートの悲恋を描く「3大バレエ」の一つです。物語・上演史・言語学習への活かし方をまとめます。

『白鳥の湖』はピョートル・チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽(作品20)です。

この作品はチャイコフスキーが初めて発表したバレエ音楽です。

物語はドイツを舞台に、悪魔の呪いで白鳥に変えられた王女オデットと王子ジークフリートの悲恋を描きます。

作品はクラシック・バレエを代表する作品の一つで、『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』と共に「3大バレエ」とも呼ばれています。

『白鳥の湖』が生まれるまで:依頼と作曲

1875年の春にボリショイ劇場からチャイコフスキーに『白鳥の湖』の作曲の依頼がありました。

チャイコフスキーは依頼料として1875年に800ルーブルを受け取ったとされています(英語版記述)。

チャイコフスキーは1875年の夏に作曲を始め、翌1876年の春に完成させたとされています。

別の記述では、チャイコフスキーは『白鳥の湖』の作曲に約1年を費やし、1875年春の委嘱から1876年4月までにスコアを完成させたとされています。

1876年にはチャイコフスキーがスコアを完成させ、リハーサルが始まったとされています。

チャイコフスキーは既存作品(『スワンの湖』の小さな家庭用バレエや未完成のオペラ『ヴォイェヴォダ』など)の素材を本作に流用したとされています。

『白鳥の湖』の楽器編成にはピッコロ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、コルネット2、トランペット4、トロンボーン3、チューバ、打楽器各種、ハープ、弦五部が含まれます。

こうした編成からは、バレエ音楽として豊かな音色と厚みを持たせようとしていることがうかがえるように感じられます。

物語と主要登場人物

物語はドイツを舞台にしています。

この物語では、悪魔の呪いで白鳥に変えられた王女オデットが描かれます。

物語では、オデットと王子ジークフリートの悲恋が中心に据えられます。

主要登場人物はオデット、ジークフリート、ロットバルト(悪魔)、オディールです。

英語版では、物語の原型はロシアとドイツの民話に基づくと記されています。

上演演出は時代と地域により結末が異なるとされています。

ソ連ではハッピーエンド、西ヨーロッパでは悲劇的結末が主流になる傾向があるとされています。

同じ物語でも、どの結末を選ぶかによって観客が受け取る印象が大きく変わることを意識して鑑賞すると、作品の見え方が豊かになるかもしれません。

初演から蘇演へ:上演史のポイント

初演は1877年3月4日(旧暦2月20日)にモスクワのボリショイ劇場で行われました。

この初演の振付はウェンツェル・レイジンゲル(ユリウス・レイジンガー)が担当しました。

初演当時の公演は振付・舞台美術・ダンサー・指揮者などの水準が低かったことから失敗に終わったと一般には伝えられています。

観客に理解されにくい楽曲であったことも失敗の理由として一般に挙げられています。

初演版(レイジンゲル版)は41回上演されました。

レイジンゲル版は1883年1月の上演を最後にボリショイのレパートリーから外れました。

1893年にチャイコフスキーが急逝し、その翌年の追悼演奏会で第2幕抜粋が上演された準備が始まったとされています。

チャイコフスキー没後、マリウス・プティパとレフ・イワノフが大幅な改訂を行いました。

1895年1月15日(旧暦1月27日)にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で全幕蘇演が行われました。

1895年の蘇演では台本・振付・音楽が大幅に改訂されました。

この蘇演では全体の構成が4幕から3幕に変更されるなどの整理が加えられました。

1895年版の振付はイワノフとプティパが分担して担当しました。

1895年の蘇演の際、音楽はリッカルド・ドリゴによって改訂されました。

このとき原曲の約4分の1が削除されたとされています。

現在上演されている多くの『白鳥の湖』はプティパ=イワノフ版を元にしています。

『黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ』の32回転のフェッテは1895年の蘇演版でピエリーナ・レニャーニが取り入れたとされています。

A・ゴルスキーは1901年から1922年にかけて複数回にわたり改訂版を発表しました。

ゴルスキーの1920年版ではハッピーエンドが採用されました。

1934年にはN・セルゲエフ版がヴィック・ウェルズ・バレエで上演されました。

この上演が西ヨーロッパ全幕初演となりました。

日本における『白鳥の湖』全幕初演は1946年8月9日から8月30日に帝国劇場で東京バレエ団(第1期)によって行われました。

1953年には初演時にソベシチャンスカヤのために作られた追加曲が再発見され、一部で用いられました。

1995年にはマシュー・ボーン版など、物語を大きく改変する現代的演出が登場しました。

こうして見ると、『白鳥の湖』は作曲から今日に至るまで、振付や構成、結末が繰り返し作り直されてきた「生きている」作品だと感じられます。

チャイコフスキーの仕事ぶりから学ぶこと

『白鳥の湖』はチャイコフスキーが初めて発表したバレエ音楽でした。

彼はこの作品の作曲に約1年を費やし、1875年春の委嘱から1876年4月までにスコアを完成させたとされています。

また、既存の小さな家庭用バレエ『スワンの湖』や未完成のオペラ『ヴォイェヴォダ』などの素材を本作に流用したとされています。

このような制作過程からは、全くゼロから作るだけでなく、手元にある素材を新しい文脈で生かす発想も創作の重要な一部であると考えられます。

『白鳥の湖』で学ぶ英語表現

ここからは、『白鳥の湖』の事実をもとにした英語例文で、作品の説明フレーズを練習してみます。

例えば、英語では次のように書けます(実在の人物の発言ではなく、この文章のための例文です)。

  • Swan Lake is a ballet composed by Pyotr Tchaikovsky.

この文は「『白鳥の湖』はピョートル・チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽である」という事実を英語にしたものです。

  • It tells the tragic love story of Odette and Prince Siegfried.

この文は「作品はオデットと王子ジークフリートの悲恋を描く」という内容を英語にした例です。

  • The story is set in Germany.

この文は「物語はドイツを舞台にしている」という事実をそのまま英語にしたものです。

この3文を口ならしに何度か音読して、登場人物の名前やballet, tragic love story, is set in のような表現に慣れてみると、他の作品紹介をするときにも応用しやすくなります。

練習問題:英語で作品紹介文を完成させる

『白鳥の湖』の事実をもとにした、穴埋め英作文に挑戦してみてください(これも実在の人物の発言ではなく、この文章用の練習問題です)。

問題

次の英文を、適切な語で完成させてください。

Swan Lake is a ______ composed by Pyotr Tchaikovsky. It tells the tragic ______ story of Odette and Prince Siegfried, and the story is set in ______.

例示解答(一つの例です)

Swan Lake is a ballet composed by Pyotr Tchaikovsky. It tells the tragic love story of Odette and Prince Siegfried, and the story is set in Germany.

ここで ballet は「バレエ」、love は「恋愛」、Germany は「ドイツ」を表しています。

実際に書いてみると、作品に関する事実と英単語が頭の中で結び付きやすくなります。

アプリ形式からヒントを得る学習アイデア

アプリ『リトリーバーと語学勉強』は歴史上の人物や古典作品を題材に学習コースを作る学習アプリです。

このアプリでは登場人物が話しかけ問題を出す形式が用いられています。

同じような形式をまねて、紙やノート上で「オデットが質問し、あなたが別の言語で答える」会話問題を自作してみるのも一つの勉強法として考えられます。

今日からできる小さなアウトプット課題

最後に、『白鳥の湖』を題材にしたアウトプット課題を一つ提案します。

  • 日本語で『白鳥の湖』の物語を200字以内に要約し、その要約をもとに、先ほどの英語表現(ballet, tragic love story, is set in Germany など)を少なくとも1つ使って英語で2文書いてみてください。

自分の言葉でまとめ、その内容を別の言語に移し替えてみると、作品への理解と言語の両方を深める練習になりますので、よければ試しにやってみてください。

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