「今日の運動」のコンディションスコアの計算方法

主にApple Watchから得る7つの測定値を、個人の平均ではなく固定の基準カーブに当てはめて算出する0〜100のスコアです。最も比重が大きいのは睡眠です。

「今日の運動」は、昨夜のApple Watchのデータを、0〜100のコンディションスコア1つと5段階のコンディションレベルのいずれかに変換します。スコアは相対評価ではなく絶対評価です。各入力値は、あなた自身の過去の平均と比べるのではなく、基準範囲(たとえば睡眠7〜9時間、週150〜300分の有酸素運動)をもとに作られた固定のカーブに当てはめられます。アプリは各測定値が最近の平均と比べてどうかも表示しますが、その比較は表示のためだけのもので、スコアは変わりません。スコアはiPhone上で計算され、アプリがヘルスケアの測定値をアップロードすることはありません。

このページでは、アプリのバージョン1.4.3(スコアリングエンジン1.60.0)に実装されているスコアの規則を説明します。ウェルネス機能の説明であり、医学的な助言ではありません。

アプリが読み取るデータ

アプリはヘルスケアの次の記録を読み取ります。その多くはApple Watchが夜間に記録したものです。

  • 睡眠分析(睡眠時間、ベッドにいた時間、睡眠ステージ)
  • 安静時心拍数と心拍数
  • 心拍変動(HRV):Apple Watchの心拍間隔の記録があれば、そこから計算したrMSSDを使います。ない場合は、ヘルスケアが示すSDNNの値を代わりに使い、代替値であることを示す印を付けます。rMSSDとSDNNは別の指標であり、アプリは一方を他方に換算しません。
  • 睡眠中の呼吸数
  • 睡眠中の手首皮膚温
  • ワークアウト、アクティブエネルギー、歩数
  • 記録している場合は、任意の生活習慣の記録:アルコール、カフェイン、マインドフルネスの時間(分)、血圧、血糖値、睡眠中の呼吸の乱れ

夜間の測定にはApple Watchが必要です。Apple Watchがなければ、アプリには評価に使える睡眠、HRV、夜間の心拍のデータがありません。

7つの軸

各入力値は、それぞれ専用の0〜100のカーブに当てはめられます。カーブは以下の基準範囲を参考にしています。重み、基準値の間の点数、睡眠による上限は製品としてのルールであり、合計スコアは臨床的に検証された回復の指標ではありません。

軸 重み 100点 0点 根拠
睡眠時間 0.30 7〜9時間 睡眠なし NSF 2015年の推奨、7時間以上とするAASM/SRSの合意声明。10時間を超える長時間睡眠は点数が下がる(Cappuccio 2010)
睡眠効率 0.10 85%以上 30%以下 Ohayon 2017(NSFの睡眠の質の指標)
週間の有酸素運動時間(直近7日間) 0.20 300分 0分 WHO 2020:150分が合格ライン(60点)、300分で満点。300分を超えても減点しない(Arem 2015)
週間の筋力トレーニング日数(直近7日間) 0.10 2日以上 0日 WHO 2020:週2日以上の筋力トレーニング(1日=50点)
安静時心拍数 0.15 55 bpm以下 110 bpm Zhang 2016のメタ分析:10 bpm上がるごとに全死因死亡リスクが約9%上昇する。100 bpmは頻脈の臨床的な閾値
心拍変動(7日間の移動平均) 0.10 42 ms以上 0 ms Nunan 2010:健康な成人のrMSSDの平均は42 ms。個人差が大きいため、高い値が減点されることはない
夜間の呼吸数 0.05 12〜20回/分 6回/分または32回/分 臨床上の慣例(特定の研究に基づくものではない)

歩数も有酸素運動の軸に加算されます。1日平均8,000歩を150分の合格ライン、12,000歩を300分の目標として扱います(Saint-Maurice 2020、Paluch 2022)。2,000歩以下は加算されません。アプリは記録されたワークアウトの時間と歩数から換算した時間のうち大きいほうを使い、両者を合計することはありません。そのため、ワークアウトとしても記録したウォーキングが二重に数えられることはありません。

妊娠中など、WHOが独自の身体活動ガイドラインを定めているライフステージをアプリに設定すると、有酸素運動のカーブはそのガイドラインに従います。これは減点を防ぐ方向にしか働かず、通常のカーブより低く評価されることはありません。

各軸が1つのスコアになるまで

  1. 加重平均。 7つの軸のスコアを上の重みで合算します。睡眠(時間と効率)がスコアの40%、活動が30%、安静時心拍数が15%、HRVが10%、呼吸数が5%を占めます。
  2. 欠けているデータは0点にせず、除外します。 ある軸にデータがない場合は、その重みを外し、残りの重みを正規化し直します。Apple Watchを着けずに寝た夜は、悪い夜ではなく「不明」として扱います。
  3. 生活習慣による調整。 アルコール、夕方以降のカフェイン、マインドフルネス、短い昼寝を記録した場合、またはアプリが血圧・血糖値・呼吸の乱れについてあなた自身の基準値を上回る値を検出した場合に、小さな調整が加えられます。調整の合計は−10〜+3点の範囲に制限されるため、実際に測定された生理的データが、推測された状況より常に大きく影響します。生活習慣の記録がない日の調整はちょうど0です。
  4. 0〜100の範囲に収めます。
  5. 睡眠による上限。 最後に、スコアは睡眠時間の軸のスコアに22点を足した値を超えられません。睡眠が5時間なら睡眠の軸は30点なので、ほかの項目がどれだけ良く見えても、スコア全体の上限は52点になります。睡眠が記録されていない場合、上限はかかりません。上限は最後に適用されるため、ほかのどの段階もスコアをこの上限より上に引き上げることはできません。

5段階のコンディションレベル

スコア レベル アプリでの意味
85〜100 5 絶好調の日
70〜84 4 調子の良い日
55〜69 3 普段どおりの日
40〜54 2 強度を下げましょう
0〜39 1 休養日

レベルはまずこの表で決まります。そのあと、夜間の追加のシグナルを読み取る別の仕組みが、表示されるレベルを合計で最大1段階だけ動かすことがあります。この仕組みが0〜100のスコアを変えることはなく、レベルが動いたときはアプリがその理由を説明します。

スコアが表示されない場合

  • 記録が7日未満: スコアは表示されません。
  • 7〜29日: スコアは「学習中」のラベル付きで表示されます。
  • 昨夜の主要データがない(睡眠、安静時心拍数、HRVのいずれもない):スコアは表示されません。週間の活動量だけでは足りません。それはこれまでの過ごし方を表すもので、今日の体の状態を表すものではないからです。

このスコアが表さないもの

  • 個人の平均との比較ではありません。以前のバージョンのアプリ(スコアリングエンジン1.0.0より前)は個人のベースラインを使っていましたが、現在のエンジンは使っていません。ブリーフィング画面の「いつもと比べて」の数値は、参考として表示しているだけです。
  • トレーニング負荷の急な増加は警告カードとして表示されますが、スコアには含まれません。
  • 1日の歩数目標を達成するとお祝いの表示が出ますが、スコアやレベルには何も加算されません。
  • このアプリは医療機器ではなく、スコアは診断ではありません。今日どのくらいの強度でトレーニングするかを決めるためのウェルネス情報です。

プライバシー

スコアの計算はすべてiPhone上で行われます。サーバーに保存されるのは次のものです。

  • アカウント情報(メールアドレス、表示言語):アカウントを作成した場合のみ。すべての分析機能はアカウントなしで使えます。
  • 診断データ:診断データの共有をオンにした場合のみ。名前と値が決められたリストから選ばれるアプリのイベントと、エラーの種類・システムのエラーメッセージ・スタックトレースを含むエラーレポートです。設定から削除できます。
  • 1日1回の「アプリを開いた」シグナル:ランダムなインストールID、日付、プラットフォーム、アプリのバージョン。アカウントとはひも付けられず、健康データは含まれません。すでに送信されたシグナルは設定から削除でき、アプリを削除すれば送信は止まります。

出典

この記事は一般的な健康情報であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。体調に不安があれば医療専門家にご相談ください。

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