『トム・ソーヤーの冒険』のあらすじ:マーク・トウェインの名作とペンキ塗りの名場面

『トム・ソーヤーの冒険』は、ミシシッピ川沿いの町に住むいたずら少年を描いたマーク・トウェインの1876年の小説です。あらすじと有名な場面を紹介します。

『トム・ソーヤーの冒険』は、アメリカの作家マーク・トウェインが1876年に発表した小説です。1840年代、ミシシッピ川沿いの小さな町で育つ、頭がよくていたずら好きな少年トムの物語です。 トムは学校をさぼり、海賊ごっこをし、恋をし、墓地で殺人を目撃し、最後には隠された宝物を見つけます。アメリカで最も愛されている子ども時代の物語の一つで、のちに自分の小説の主人公になる友だちハックルベリー・フィンもここで登場します。

作者マーク・トウェイン

マーク・トウェインは、サミュエル・ラングホーン・クレメンズ(1835–1910年)のペンネームです。ミズーリ州の川沿いの町ハンニバルで育ち、そこがトムの住む架空の町セント・ピーターズバーグのモデルになりました。 若いころは印刷工やミシシッピ川の蒸気船の水先案内人として働き、ペンネームは「水深が2尋ある、船が通れる」という意味の川の掛け声から来ています。

あらすじ

トムは、きびしいけれどやさしいポリーおばさん、異母弟のシッド、いとこのメアリーと暮らしています。学校も教会も大きらいで、冒険が大好きです。いちばん有名な場面では、罰として土曜日に長い板塀のペンキ塗りをさせられます。トムはこの仕事がめったにできない特別なことのようにふるまい、やがてほかの少年たちがりんごやおもちゃ、ビー玉を払ってまで塀を塗らせてもらうようになります。

トムは町に越してきた少女ベッキー・サッチャーに恋をします。ある夜、トムとハックは墓地にしのびこみ、インジャン・ジョーが殺人を犯し、酔っぱらいのマフ・ポッターに罪を着せるところを目撃します。 おびえた二人は秘密を守ると誓います。

トムとハック、友だちのジョーは島に逃げて海賊ごっこをします。町の人々は三人が溺れたと思い、三人はこっそり戻って自分たちの葬式に姿を現し、みんなを驚かせます。 やがてトムは良心に従い、ポッターの裁判で真実を話します。インジャン・ジョーは窓から逃げ出します。

最後に、トムとベッキーは大きな洞窟で迷子になり、トムはそこに隠れるインジャン・ジョーを見かけます。何日も暗闇をさまよったすえ、トムは出口を見つけます。その後洞窟はふさがれ、中でインジャン・ジョーが死んでいるのが見つかります。トムとハックは洞窟に戻って宝を見つけ、お金持ちになります。

ペンキ塗りの教訓

トウェイン自身がこの場面の教訓を書いています。仕事とはしなければならないこと、遊びとはしなくてもいいこと。何かを珍しくて手に入りにくいものに見せれば、人はそれをほしがるのです。

家族を養うための一冊

トウェインがこの小説を書いたころ、彼はコネチカット州ハートフォードに大きな屋敷を構えていました。旅行記『赤毛布外遊記(イノセンツ・アブロード)』や1874年の小説『金ぴか時代』のあとで、家族を支えるためにもう一つのヒット作が必要だったのです。 主人公の名前「トム」は、1863年6月にトウェインがサンフランシスコで出会った消防士から取ったとされます。その消防士は難破船から90人の乗客を救ったことで有名な人物でした。 舞台のセント・ピーターズバーグがハンニバルをもとにしているのに対し、名前は遠い西海岸の英雄から借りてきたというのは、少し意外な組み合わせです。

ロンドンが先、アメリカが後

1875年11月、トウェインは原稿をアメリカン・パブリッシング・カンパニーのイライシャ・ブリスに渡し、ブリスは挿絵をトゥルー・ウィリアムズに依頼しました。 ところが実際に先に本が出たのはイギリスで、1876年6月、ロンドンのチャットー・アンド・ウィンダス社が挿絵のない版を出版しました。カナダやドイツではすぐに海賊版が出回り、挿絵入りのアメリカ版が出たのは同じ年の12月でした。 発売当初は商業的に失敗したものの、やがてトウェインの生前で最も売れた作品になります。 アメリカ文学を代表する作品なのに、母国での出版が一番遅かったというのは、この本の歴史の面白いところです。

続編と、映画・アニメへ

トムとハックの物語はこの一冊で終わりませんでした。1884年から1885年にかけて『ハックルベリー・フィンの冒険』が出版され、さらに1894年の『トム・ソーヤーの外国旅行』、1896年の『探偵トム・ソーヤー』と続編が書かれています。 一方で、作品に使われている人種差別的な言葉や、インジャン・ジョーの戯画的な描き方は、今では批判の対象にもなっています。 映画では1938年にセルズニックのスタジオがテクニカラーで映画化し、トミー・ケリーがトムを演じました。 日本では1980年に日本アニメーションが「世界名作劇場」の一作としてアニメにしており、アメリカでもHBOで放送されました。 テレビでトムやハックに出会ったという日本の読者も多いはずです。

トム・ソーヤーで覚える英語表現

表現 意味 例文
play hooky 学校をさぼる Tom played hooky to go swimming.
get into mischief いたずらをする The kids got into mischief all summer.
whitewash (欠点を)ごまかす The report whitewashed the mistakes.
a guilty conscience 良心のとがめ He couldn't sleep with a guilty conscience.
a tall tale ほら話 Grandpa loves telling tall tales.

練習問題: 子どものころの冒険について、「play hooky」「get into mischief」を使って英語で三文書いてみましょう。

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