レム睡眠が少なかった朝、トレーニングの強度は下げるべき?

レム睡眠は夢を多く見る睡眠で、一晩に何度も現れます。少ない夜が一度あっただけなら、他の指標と体感を合わせて強度を調整しましょう。

アプリでレム睡眠がいつもより少なく表示された朝でも、それだけで練習を中止する必要はありません。まずは安静時心拍やHRV、ウォームアップの感触といった他の手がかりと合わせて見るのが現実的です。レム睡眠は急速眼球運動を伴う睡眠で、体の骨格筋はゆるんで休んでいる一方、脳は活発に働いている状態です。 一晩のうちに何度も現れるため、一晩だけ少なかった数字は、体力の低下というより「その夜の眠り方」を映していることが多いのです。

レム睡眠とはどんな眠りか

レム睡眠の中では、大脳皮質はむしろ起きているとき以上に強く活動しているとされ、体が勝手に動かないよう筋肉への指令が遮断されています。 見た目は眠っているのに脳は覚醒に近いことから、逆説睡眠とも呼ばれます。 夢を見るのもこの時間であることが多いとされています。

この眠りの存在が明らかになったのは、シカゴ大学のアセリンスキーとクレイトマンの研究によってです。 それ以来、研究は続いていますが、レム睡眠の役割にはまだ分からない部分も残っています。アプリが「レム睡眠が何分だから今日の調子はこう」と断定的に見えるときほど、少し距離を置いて読むのがよいでしょう。

夜のどこでレム睡眠が出るのか

眠りはノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返し、そのセットはおよそ90〜110分の周期で続きます。 一般的な長さの睡眠であれば、一晩に何回かレム睡眠が現れます。夜が進むにつれて周期の中でレム睡眠の割合が増えていくため、レム睡眠の多くは明け方近くに集まります。

この性質は朝練をする人にとって大事です。就寝が遅くなって起床時刻だけ固定されると、真っ先に削られるのは明け方の、レム睡眠が多い時間帯です。アプリのレム睡眠が少ないのは、単に「夜の後半が短かった」結果であることも少なくありません。

トレーニングする人にとっての意味

睡眠そのものは心身の休息や細胞レベルでの修復、記憶の再構成などに深く関わっているとされています。 レム睡眠はその中の大切な一部ですが、それだけで回復が決まるわけではありません。深いノンレム睡眠やトータルの睡眠時間とあわせて考えるのが自然です。

年齢によっても割合は変わります。大人では睡眠時間の約20〜25%がレム睡眠とされ、新生児ではもっと多くを占めます。 他人の数字や別の年代の目安と比べるより、自分のいつもの範囲と比べるほうがずっと役に立ちます。

レム睡眠が足りないとどうなるか

レム睡眠に入るたびに起こされる実験のあと、普通に眠れるようになると、レム睡眠がやや増える「リバウンド」がよく見られます。 体は失ったレム睡眠を、機会があれば取り戻そうとするようです。

そのため、レム睡眠が少ない夜の翌日に多い夜が来ても、時計の誤りとは限りません。注意したいのは一晩の上下ではなく、数日続けていつもより少なく、同時に安静時心拍が高くHRVが低いといった別のサインも重なっている状態です。

時計はどうやって測っているのか

睡眠検査では頭に電極をつけて脳波を記録し、段階を判定します。手首の時計は脳波を測れないので、動きや脈拍などの間接的な情報から推定しています。表示されるレム睡眠の分数は「推定値」であり、同じ条件で測った夜どうしを比べるときに力を発揮します。

睡眠中の体の変化も知っておく

レム睡眠のあいだ、体は外から見ると静かですが、内側ではかなり揺れています。体温調節や呼吸、血液の循環が、ほかの睡眠段階や起きているときには見られないほど大きく変動することがあります。 そのため、夜間の心拍や呼吸の記録が、ある時間帯だけ不規則に見えることがあっても、それ自体は珍しいことではありません。

ここで役に立つのは、ひと晩のグラフの細かな凹凸ではなく、数日から一週間の傾向です。寝室の温度、夕食の時間、寝る前の画面、練習の強さなどを簡単にメモしておくと、自分のレム睡眠がどんな習慣に左右されやすいのかが少しずつ見えてきます。数字の意味を自分の生活と結びつけられるようになれば、朝の判断も迷いにくくなります。

今日の練習をどう調整するか

数字に振り回されないための簡単な目安です。

  • いつもの範囲内: 予定どおりに練習し、強度はウォームアップと心拍で決める。
  • 一晩だけ少なく、ほかは普段どおり: 練習は行い、体が重ければ最もきついセットやインターバルを減らす。
  • 数日続けて少なく、HRVの低下や安静時心拍の上昇もある: ウォーキングや軽いバイク、ストレッチなど軽めの日にする。
  • 体調不良がある、または眠れない状態が続く: 休養を優先し、医師や睡眠の専門家に相談する。

予定を変えることは後退ではなく、次のきつい練習を良い状態で迎えるための調整です。大切なのは時計に従うことではなく、体が別のことで忙しいかもしれない朝に一度立ち止まることです。

明け方の眠りを守る習慣

レム睡眠は夜の後半に多いので、睡眠の終わりの時間を守る工夫が効きます。起床時刻をそろえる、周期を何回か回せるだけの余裕をもって寝る、寝る直前の飲酒を控える、といった基本が中心です。早朝練習が多い人は、強度の高い練習を少し遅い時間や別の曜日に移すだけで、睡眠の後半を守りやすくなります。

まとめ

疑問 ひとことで
レム睡眠とは 体は休み、脳は活発に働く夢の多い眠り
いつ多いか 夜の後半、明け方近く
少ない朝は 他の指標と体感をあわせて強度を調整
相談の目安 不調や不眠が続くとき

レム睡眠は大切ですが、ひとつの数字で今日を決める必要はありません。一週間の流れと自分の感覚を合わせて読み、きつい練習はよく眠れた日に回しましょう。

この記事は一般的な健康情報であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。体調に不安があれば医療専門家にご相談ください。

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