回復スコアが低い朝、ランニングは休むべき?軽く走るべき?
ランニングは続けるほど力になりますが、着地の負担は積み重なります。回復スコアを見て、ポイント練習・ジョグ・休養を選び分けましょう。
回復スコアが自分のふだんの値よりはっきり低い朝は、予定していたきついランニングをやめて、短くゆっくりしたジョグか休養に切り替えるのが基本です。スコアがいつもの範囲に戻っていれば、インターバル走やロング走などのポイント練習を予定どおり行って構いません。ランニングは靴さえあれば始められる手軽な運動ですが、手軽だからこそ毎日同じ強さで走り続けてしまいがちです。走る前に回復の状態を確認するだけで、ランニングは「習慣」から「計画」に変わります。
「走る」と「歩く」は何が違うのか
人が走るときは、左右の足で交互に地面を蹴って前に進みますが、両足が同時に地面から離れる瞬間がある移動のしかたを「走る」と呼びます。 これに対して、常にどちらかの足が地面についている移動は「歩く」です。
走ることは、位置エネルギーと脚のバネのエネルギーを交換しながら進む移動だと定義されることもあります。 一歩ごとに体が浮き上がり、着地でその重さを受け止め、またはね返す。この「バネ」がよく効いている日は脚が軽く感じられ、疲れがたまっている日は同じペースでも重く感じられます。その重さこそ、体からの大事なサインです。
走ることは人間にとって身近な運動
走ることは人間の重要な運動能力のひとつとされています。 両足が地面から離れている時間は歩幅が大きいほど長くなり、短距離選手のように歩幅の大きい走り方ではその時間が長くなります。
ペースを上げると歩幅が伸び、空中にいる時間も、着地で受け止める衝撃も大きくなります。スピード練習のあとに脚の張りが強く残りやすいのはこのためです。逆に、ゆっくりしたジョグは一歩ごとの負担が小さく、疲れている日の選択肢として向いています。
ランニングはどんなトレーニングに入るのか
フィジカルトレーニングは、柔軟性を高めるもの、心肺機能を高める有酸素運動、筋力を高める無酸素運動の三つに大きく分けられ、軽いジョギングは有酸素運動の例として挙げられています。 フィジカルトレーニングは、適正な体重の維持や骨・筋肉の強度、関節の柔軟性を高めることにつながり、精神的な健康にもよい影響があるとされています。
ただし、効果を得るには「適切で規則正しい」ことが前提です。疲れているのに毎日強く走れば、着地の衝撃を受け止める筋肉や腱、関節に負担が積み重なります。心肺機能は早く伸びても、腱や骨が慣れるには時間がかかります。走れる気がする日でも、脚が追いついていないことは珍しくありません。
回復スコアを「信号」として使う
回復スコアは、夜間の心拍数や心拍変動、睡眠などをまとめて、その朝の体の落ち着き具合を示します。ランナーにとっては「走るか走らないか」より、「どのくらいの強さで走るか」を決める信号として使うのがおすすめです。
スコアがいつもの範囲なら、計画どおりポイント練習をして構いません。自分の平常値よりはっきり低い日が二日、三日と続くなら、体はまだ何かに対応している最中です。きつい練習の連続、睡眠不足、出張や旅行、仕事のストレス、風邪のひき始めなどが考えられます。その日は練習の負荷を下げましょう。のどの痛みやいつもと違う筋肉の痛み、異様なだるさが一緒にあるなら、休むほうが賢明です。
回復が低い日のジョグと歩きまじりのラン
回復が低い日に走るなら、ゆっくり、短く、がポイントです。会話ができるくらいのペースで、時間もふだんより短めにします。走り続けるのがつらければ、走りと歩きを交互にはさむ方法もあります。歩く時間に呼吸が整い、脚への負担も分散されるので、無理なく体を動かせます。
この方法は初心者だけのものではありません。レースのあとや練習量の多かった週の終わりに、積極的休養として取り入れる経験者も多くいます。目標は「走り始めたときより気分よく終わること」です。気づけばペースを気にしているなら、それはもう回復走ではなく練習になっています。
一週間の組み立て方
多くのランニング計画は、ゆっくりしたジョグ、一、二回のポイント練習、少し長めのランで構成されています。ポイント練習は回復スコアが良い朝に置き、動かせるようにしておくのがコツです。きつい練習の日にスコアが低ければ、無理にこなさず次のジョグの日と入れ替えます。
楽な日には脚やお尻まわりの簡単な筋力トレーニングを加え、週に一日は走らない日をつくりましょう。路面に変化をつけるのも一つの方法ですが、でこぼこの道では足首をひねらないよう注意が必要です。練習量や強度を上げる時期ほど、こうした余裕が大切になります。
走っている最中の感覚も大切に
回復スコアは朝の「天気予報」、実際のランは「本当の天気」です。予報が良くても、ゆっくり十分走って脚がまったく動かないなら、その場で予定を変えて構いません。予報がいまひとつでも、丁寧にウォーミングアップしたあと体が軽く感じられるなら、本当に楽なペースを守る条件つきで、落ち着いたジョグを続けてもよいでしょう。数字と体感の両方を手がかりにすることで、自分なりの判断の物差しが育っていきます。
痛みがあるときは専門家へ
走り始めて体が温まると消える程度の筋肉痛は、トレーニングの一部です。しかし鋭い痛み、走り方が変わってしまう痛み、腫れ、日ごとに強くなる痛みは別物です。無理に走らず、医師や理学療法士に相談してください。楽な練習に切り替えても回復スコアが何週間も低いままのときや、いつもと違う息苦しさやめまいがあるときも同じです。回復スコアは今日の強さを選ぶための一般的な情報であり、診断ではありません。
長く走り続けるためにいちばん大切なのは、調子の悪い日に無理をしないことです。一回の練習を休んでも走力はすぐには落ちませんが、けがで何週間も走れなくなれば、それまでの積み重ねが途切れてしまいます。回復スコアが低い朝は「今日は守りの日」と決めて、ゆっくり走るか休むかを選び、良い朝にしっかり走る。このリズムを身につけることが、ランニングを楽しく続けるいちばんの近道です。
この記事は一般的な健康情報であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。体調に不安があれば医療専門家にご相談ください。