無酸素運動とは?エネルギーシステムとインターバルを記録で整理する

無酸素運動を「乳酸系」と「非乳酸系」の2つのエネルギーシステムから整理し、短距離走やインターバル走の例とともに、自分のトレーニング記録で確認する手順を解説します。

無酸素運動とは有酸素運動でない運動である。

英語版は無酸素運動を酸素を使わずに体内でグルコースを分解する運動と定義し、乳酸の蓄積を引き起こすと述べている。

無酸素運動の基本的な定義

英語版は無酸素運動がより高強度で持続時間が短い運動であると述べている。

無酸素運動の例としてスプリント、高強度インターバルトレーニング(HIIT)、筋力トレーニングが挙げられている。

無酸素運動は基礎代謝率(BMR)を増加させることがあると英語版は述べている。

エネルギーシステムの2つの柱:乳酸系と非乳酸系

無酸素運動は乳酸系と非乳酸系の2種類を含む。

乳酸系(解糖系)

乳酸系は解糖系によりグリコーゲンを酸素を使わずに乳酸に分解してエネルギーを生成する。

解糖系は酸素がないか、好気的代謝が供給するATP速度を超える場合にグルコースやグリコーゲンを燃料として使用する。

解糖系によるATP合成はTCA回路によるATP合成のおよそ100倍の速度を持つ。

陸上競技の400メートル走や中距離走は主に乳酸系をエネルギー源とする。

最大の運動強度では乳酸系の持続時間は約33秒である。

運動負荷を落とすと乳酸系は約2時間半くらい持続し、その間は無酸素運動と有酸素運動が混じる。

非乳酸系(ATP-CP系)

非乳酸系はクレアチンリン酸の分解によりADPからATPを無酸素的に生成して瞬発力のエネルギー源とする。

最大の運動強度では非乳酸系の持続時間は約8秒である。

約30秒までの身体活動は主にATP-CP系のエネルギーシステムに依存する。

陸上競技の100メートル走は主に非乳酸系をエネルギー源とする。

運動強度と燃料の切り替わりを知る

運動強度が低い場合には脂肪とグリコーゲンの燃焼比率は1:1であるが、強度が高まるとグリコーゲンの比率が高まる。

無酸素運動の副産物である乳酸(生理学的pHでは主に乳酸の共役塩基ラクト酸として)は高濃度でない限り必ずしも筋機能に有害とは限らない。

無酸素運動とインターバルトレーニング

LTトレーニングは乳酸耐性を高めるためのトレーニングである。

LTトレーニングは乳酸が急増し始めるLT2の負荷で行い、心拍数では約75%HRR程度である。

ロングインターバルトレーニングは最大酸素摂取量(VO2max)を高めるためのトレーニングであり心拍数では85%HRR以上で行う。

ロングインターバルは2分~5分のインターバルを回数5回前後で行うことが示されている。

ショートインターバルトレーニングは30秒~2分くらいのインターバルで行われる。

ショートショートインターバルトレーニングは5秒~15秒くらいのインターバルでATP-CP系による瞬発力を鍛える。

自分の記録で無酸素運動を整理するステップ

ここからは、上で見た事実を踏まえて、自分のトレーニング記録をどう整理するかの一例を紹介します。

1. 種目ごとにエネルギーシステムをざっくり分類する

例えば、100m走に近い全力ダッシュは非乳酸系が主になる短時間・高強度の動きとしてメモしてみてください。

400m走や中距離走に近い負荷のランニングは、乳酸系が強く関わる持続的な高強度として別枠にしておくと、自分のメニューの特徴が見えやすくなります。

2. LTトレーニングとロングインターバルを1回ずつ設計して書き出す

一度、自分なりのLTトレーニングを「時間・距離・心拍の目安・本数」といった項目に分けて紙やメモに設計してみてください。

別の日にはロングインターバルについても同じように「何分走るか」「何分休むか」「何本行うか」を書き出し、実際にできた内容と感じたきつさを並べて記録してみると整理しやすくなります。

3. 30秒以内の全力運動で自分の感覚を確かめる

10秒前後の全力ダッシュや全力バイクなど、30秒以内の全力運動を1本だけ行い、「いつまでほぼ全力を維持できたか」「息が落ち着くまでにどれくらいかかったか」をメモしてみてください。

同じ条件で何度か試していくと、自分の全力持続時間の変化に気づきやすくなります。

4. 1週間インターバルを続けて日ごとのメモを残す

ショートインターバルとロングインターバルを交互に取り入れた1週間を決め、その間、毎回のトレーニング後に「脚の重さ」「息のきつさ」「翌日のだるさ」など主観的なメモを残してみてください。

日付ごとに並べて眺めると、どのパターンのインターバルで疲れやすいか、どのくらい間隔を空けると楽に感じるか、といった自分なりの傾向を見つけやすくなります。

今日の運動を決めるための小さな課題

最後に、今日からすぐにできる小さな課題をいくつか提案します。

  • 最近1週間のトレーニングを振り返り、「100m型(ごく短時間全力)」「400m型(30秒前後のきつい区間)」「それ以上」の3種類にざっくり分類して書き出してみてください。
  • 明日行うトレーニングとして、LTトレーニング風メニューとロングインターバル風メニューをそれぞれ1案ずつ紙に設計し、どちらを実行するかをその日の体調と相談しながら選んでみてください。
  • 30秒以内の全力運動を1本だけ行い、「開始時刻」「終了時刻」「息が落ち着いた時刻」を時計で確認して記録してみてください。

こうした記録を少しずつ重ねていくと、自分にとっての「無酸素運動」のきつさや持続時間の感覚が具体的になり、今日の運動を考えるときにも役立てやすくなります。

この記事は一般的な健康情報であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。体調に不安があれば医療専門家にご相談ください。

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