メッツ(METs)で見ると、回復スコアが低い朝はどこまで動いていい?

メッツは安静に座っている状態と比べた運動の強さです。回復スコアが低い朝は3メッツ未満の軽い活動を中心にし、6メッツ以上は元気な日に回しましょう。

回復スコアがいつもよりはっきり低い朝は、3メッツ未満の軽い活動を中心にし、3から6メッツの中程度の運動は短めに、6メッツ以上の高強度は見送るのが目安です。メッツ(MET)は、活動中のエネルギー消費を、静かに座っているときを基準にして比べた単位で、3メッツ未満が軽い運動、3から6メッツが中程度、6メッツ以上が高強度とされます。 この記事では、メッツの意味と身近な数値、そして回復スコアと組み合わせた使い方をまとめます。

メッツとはどんな単位なのか

基準となる1メッツは、慣例として体重1キログラムあたり毎分3.5ミリリットルの酸素消費と定められています。これは静かに座っている状態の値です。 エネルギーで表すと、1メッツは体重1キログラムあたり1時間に1キロカロリーとも書かれます。

つまり4メッツの運動は、座って休んでいるときのおよそ4倍のエネルギーを使うという意味です。酸素摂取量を測らなくても、比べるだけで強さの差がつかめるのがこの単位の便利なところです。今日は軽く動く日か、しっかり追い込む日かを決めるには、この「比べる力」で十分です。

身近な活動は何メッツ?

具体的な数字を見るとイメージしやすくなります。書き物やデスクワーク、パソコン作業は約1.5メッツ、ゆっくり歩くのは2.0メッツです。 時速4.8キロで歩くと3.0メッツ、床の掃き掃除やモップがけ、掃除機がけは3から3.5メッツです。 ポーズと呼吸法を含むヨガのセッションは3.3メッツ、中程度の強さのウエイトリフティングとテニスのダブルスはどちらも5.0メッツとされています。

スピードが上がると一気に高強度の領域に入ります。時速9.0キロのジョギングは8.8メッツ、時速13.0キロのランニングは12.9メッツ、サッカーは10.3メッツです。 また、激しい家事は専用の運動と同じくらいのエネルギー消費になることもあるとされます。 引っ越しや大掃除をした日は、それだけでしっかり動いた日として数えてよいのです。

メッツ・分で一日の量をとらえる

メッツは時間をかけると、量として扱えるようになります。4メッツの活動を30分行うと120メッツ・分、8メッツの活動を15分行っても同じ120メッツ・分です。 短くきつい運動と、長くゆるい運動の合計がほぼ同じになることがあるわけです。

回復が低い日には、この計算が役に立ちます。予定していた30分のきついランを、時間を延ばしたゆっくりした散歩に置き換えれば、合計は少し減りますが、疲れた体に一番響く「強さ」は大きく下げられます。反対に調子がよい日は、短い時間に量を詰め込むこともできます。

大きな集団を対象にした研究でも、この考え方が使われています。あるメタ分析では、身体活動を週あたり11.25メッツ・時増やすことが、心血管死のリスク23%低下、2型糖尿病のリスク26%低下と関連していました。 一人ひとりへの約束ではありませんが、一日の頑張りより一週間の積み重ねが大事だということを示しています。

表の数値はどこから来たのか

多くのメッツ表のもとになっているのが「身体活動のコンペンディウム」です。疫学研究のアンケートで、同じ活動には同じ強さを割り当てられるようにするために作られました。 スタンフォード大学のビル・ハスケル博士が構想し、1993年に公表されたあと、2000年、2011年、2024年に改訂されています。 2024年版では、高齢者向けの版と、車いす利用者向けの改訂版が加わりました。

もともと大勢の人の活動を比べるための物差しなので、活動を軽い順に並べるのは得意ですが、自分の体が正確に何キロカロリー使ったかを当てるのは苦手です。この性格を知っておくと、数字に振り回されずにすみます。

メッツの数値はどこまで信じていい?

基準の毎分3.5ミリリットルという値は、もともと健康な40歳、体重70キロの男性一人の安静時酸素消費から導かれたものです。 安静時の代謝は体重全体よりも主に除脂肪量に左右されるため、この目安は人によってかなり違うことがあります。 熱量測定の研究では、慣例の1メッツが実際の安静時の酸素消費を平均で20から30%ほど多く見積もっていたと報告されています。

ですから、メッツから計算したカロリーは大まかな目安にとどめましょう。一方で、走るほうが歩くよりきついという「順番」はほとんどの人に当てはまります。今日の強さを選ぶのに必要なのは、この順番のほうです。

回復スコアとメッツを組み合わせる

回復スコアは、夜間の心拍数や心拍変動、睡眠をまとめて、その朝の体の落ち着き具合を示します。メッツは予定している運動がどれだけ体に求めるかを示します。両方を並べれば、「今日の余力に見合った強さを選ぶ」という判断が簡単になります。

スコアが平常の範囲なら、6メッツを超えるランやインターバルも選べます。少し低い日は、活動は残したまま一段階下げて、ランを早歩きに、きついサイクリングを軽いペダリングに変えます。何日も続けてはっきり低いなら、軽い活動を中心にして休養を足しましょう。

オーバートレーニングの兆候としては、十分な休息後も朝の安静時心拍数が高いままであることや、心拍変動の減少などが挙げられています。 また、回復期間中に次のトレーニングを重ねるとオーバートレーニングが起こる可能性があり、超回復の期間に行えば体力はさらに高いレベルへ進むと説明されています。 回復スコアが低い日にメッツを一段下げるのは、この「休むべきタイミング」を外さないための工夫です。

安全のために

メッツの数値は健康な成人の典型的な値で、反応には個人差があります。心臓や肺、代謝の持病がある人、病気やけがから復帰したばかりの人、妊娠中の人は、強い運動を計画する前に医師に相談してください。胸の痛みや普段と違う息切れ、めまいが出たらすぐに中止しましょう。回復スコアとメッツの表は、その日の強さを選ぶための一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。

この記事は一般的な健康情報であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。体調に不安があれば医療専門家にご相談ください。

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