ハッブルは何を発見した?宇宙を一気に広げた天文学者

ハッブルは何を発見した?宇宙を一気に広げた天文学者

エドウィン・ハッブルは、アンドロメダ星雲が天の川銀河の外にある別の銀河だと示し、遠い銀河ほど速く遠ざかっていることを見つけました。宇宙観を変えた発見を解説します。

エドウィン・ハッブル(1889–1953年)は、私たちの宇宙のイメージを変える二つの発見をしました。一つ目は1924年、規則正しく明るさを変える星を使って、アンドロメダのような渦巻き状の「星雲」が天の川銀河の中の雲ではなく、はるか遠くにある別の銀河だと示したことです。二つ目は1929年、遠い銀河ほど速く私たちから遠ざかっていることを見つけたことで、これは宇宙が膨張していることを意味します。 わずか数年のうちに、知られている宇宙は一つの銀河から無数の銀河へ、止まった宇宙から広がる宇宙へと変わったのです。

法律より星を選んだ人

ハッブルは1889年、ミズーリ州マーシュフィールドで生まれました。 スポーツも得意な学生で、シカゴ大学を卒業後、ローズ奨学生としてオックスフォード大学で法学を学びます。 しかし法律の道には進まず天文学に戻り、1921年にヤーキス天文台で博士号を取りました。第一次世界大戦ではアメリカ陸軍で少佐まで昇進しましたが、部隊が戦闘に加わることはありませんでした。

陸上とバスケットボールの名選手

ハッブルの父ジョン・パウエル・ハッブルは保険会社の重役で、一家は1900年にイリノイ州ウィートンへ移りました。 若いハッブルは運動の才能に恵まれていました。1906年の高校の陸上競技会では、たった一日で7種目に優勝し、もう1種目で3位に入っています。 シカゴ大学では1907年、バスケットボール部を初めてのビッグ・テン・カンファレンス優勝に導きました。 オックスフォード大学のクイーンズ・カレッジでは、父の願いに従って法学を学び、のちに文学とスペイン語も加えました。 父は1913年の冬、ハッブルがイギリスにいるあいだに亡くなり、彼はその夏に帰国して母ときょうだいの世話をしました。 その後、インディアナ州のニューオールバニー高校でスペイン語、物理、数学を教え、男子バスケットボール部のコーチも務めています。 1921年にヤーキス天文台で得た博士号の論文の題は「暗い星雲の写真による研究」でした。

ウィルソン山天文台と巨大望遠鏡

1919年、彼はカリフォルニアのウィルソン山天文台に加わり、生涯そこで研究を続けました。 そこには当時世界最大の口径100インチのフッカー望遠鏡がありました。まさに、ちょうどよい時にちょうどよい道具があったのです。

宇宙はどれくらい大きいのか

1920年代はじめ、天文学者たちは望遠鏡に見えるぼんやりした渦巻きが何なのかを論じ合っていました。天の川銀河の中のガスの雲なのか、それとも遠く離れた「島宇宙」、つまり別の銀河なのか。距離を確かに測る方法がなかったのです。

点滅する星で距離をはかる

鍵になったのは「ケフェイド変光星」でした。決まったリズムで明るくなったり暗くなったりする星で、そのリズムの長さから本当の明るさがわかります。本当の明るさと見かけの暗さを比べれば、遠くの車のヘッドライトが暗く見えるのと同じ理屈で、距離を計算できます。ハッブルはアンドロメダなどの渦巻き星雲の中にケフェイドを見つけ、その距離が天の川銀河の中にあるにはあまりに遠いことを示しました。それらは独立した銀河だったのです。 結果は1924年11月に『ニューヨーク・タイムズ』で報じられました。

銀河を分類する

ハッブルはさらに、銀河を見た目で楕円銀河、渦巻銀河、棒渦巻銀河に分ける分類法を作りました。音叉の形の図で描かれることの多い「ハッブル分類」は、今も最も広く使われている銀河の分類法です。

1929年、銀河は遠ざかっている

天文学者ヴェスト・スライファーは、多くの銀河の光が赤い側にずれている、つまり遠ざかっていることを測っていました。ハッブルはその速さと自分の距離の測定を組み合わせ、遠い銀河ほど速く遠ざかるという規則を見つけます。 これは今「ハッブル–ルメートルの法則」と呼ばれます。ベルギーの物理学者で司祭のジョルジュ・ルメートルが、その2年前に同じ関係を提案していたからです。 宇宙が膨張しているなら、時間を逆にたどれば熱く密度の高い始まり、つまりビッグバンにたどり着きます。彼が出した膨張の速さの値は較正の誤りで今の値よりずっと大きかったものの、発見そのものは揺らぎませんでした。

小惑星、彗星、そして戦争中の仕事

ハッブルは銀河だけを見ていたわけではありません。1935年8月30日には小惑星「1373シンシナティ」を、1937年8月4日には彗星「ハッブル彗星」を発見しています。 銀河の距離と赤方偏移の測定を組み合わせる仕事では、ミルトン・ヒューメイソンが重要な協力者でした。 第二次世界大戦中はメリーランド州のアバディーン性能試験場で民間人として働き、高速度の時計カメラを開発しました。 1938年にブルース・メダル、1939年にフランクリン・メダル、1940年に王立天文学会ゴールドメダルを受け、1946年にはレジオン・オブ・メリット勲章を贈られています。

私生活と最期

1924年2月26日、ハッブルはグレース・バークと結婚しました。アンドロメダの発見が新聞に載る9か月ほど前のことです。 1949年7月、コロラドで休暇中に心臓発作を起こしました。 亡くなる少し前には、パロマー天文台の200インチ・ヘール望遠鏡を使った最初の天文学者になっています。 1953年9月28日、カリフォルニア州サンマリノで脳血栓のため亡くなりましたが、葬儀は行われず、妻グレースは埋葬された場所を最後まで明かしませんでした。 2008年3月6日には、アメリカ郵政公社が41セントの記念切手を発行しました。

ノーベル賞はなくても

当時、天文学はノーベル物理学賞の対象と見なされておらず、ハッブルはそれを変えようと働きかけましたが、変わったのは彼の死後でした。1953年に亡くなった彼の名は、今、遠い宇宙を写し続けるハッブル宇宙望遠鏡に残っています。

ハッブルで覚える日本語表現

表現 意味 例文
視野が広がる 見方や考え方が広くなる 外国語を学んで視野が広がった。
目からうろこが落ちる 急に物事がよくわかる その説明で目からうろこが落ちた。
井の中の蛙 狭い世界しか知らない人 井の中の蛙にならないように。
桁違い 比べものにならないほど違う 宇宙の大きさは桁違いだ。
常識をくつがえす それまでの考えをひっくり返す 彼の発見は常識をくつがえした。

練習問題: 外国語を学んで「視野が広がった」と感じた瞬間を、「目からうろこが落ちる」「井の中の蛙」を使って三文で書いてみましょう。

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