エラトステネスとは何をした人?地球の大きさを測った学者と「β」というあだ名
エラトステネスはヘレニズム期エジプトのギリシャ人学者で、地球の大きさを初めて測った人物として知られます。測定の手順、数値の違い、あだ名「β」の二つの解釈をたどります。
エラトステネスは、ヘレニズム時代のエジプトで活躍したギリシャ人の学者で、アレクサンドリア図書館を含むムセイオンの館長を務めた人物です。地球の大きさを初めて測定した人物として知られています。素数を判定する方法であるエラトステネスの篩も、彼が考案したとされます。
どんな経歴の人か
キュレネで生まれ、アレクサンドリアで教育を受け、数年間アテネでも学んだとされます。年表では、紀元前236年にアレクサンドリア図書館の館長に任命されたとされています。
交友関係では、アルキメデスの親しい友人でした。アルキメデスの著書『方法』は、エラトステネスに宛てて書かれています。
地球の大きさをどう測ったのか
手がかりになったのは、シエネとアレクサンドリアの夏至の正午の太陽高度の知識です。これをもとに地球の全周を計算しました。年表では紀元前240年ごろの出来事とされています。この推論は、地球が球体で太陽光が平行線であるという前提の下で、幾何学的に正しいとされます。
この測定についてエラトステネス自身の著述は残っていません。クレオメデスらの後世の学者が言及しているため、私たちはそれを通して知ることになります。
二つの数値の違い
| 値 | 内容 |
|---|---|
| 250,000スタディア | シエネとアレクサンドリアの距離を5000スタディアと見積もって求めた全周 |
| 252,000スタディア | 他の著者が伝える値。多くの研究者は2000スタディアを加えた修正と考えている |
1スタディオンを185メートルとする説では、250,000スタディアは約46,250キロメートルとなります。換算はスタディオンの長さの説に左右される点に注意が必要です。
なお、地球の大きさの実質的な最初の測定は、10世紀のアル=ビールーニーによるとされています。
地理学とその他の仕事
地軸の傾きを初めて計算した人物ともされます。「地理学(geography)」という用語を造語したともいわれます。地図の面では、ロドスを基準に主要な緯線と経線を引き、当時の世界地図の改良を試みました。
「β」というあだ名の二つの見方
その業績から「第2のプラトン」と呼ばれ、「β」(ベータ)とあだ名されました。由来は「世界で2番目に物事をよく知っている人」という意味とされます。
別の資料には、受け取り方が分かれる記述があります。崇拝者は、多くの分野に通じていたことから「Pentathlos(万能選手)」と呼んだとされます。一方、批判者は、どの分野でも2番手だったとして「Beta(2番目)」と呼んだとされます。同じ「2番目」でも、称賛にも皮肉にもなるわけです。
晩年と没年の食い違い
紀元前195年に目が不自由になり、翌年アレクサンドリアで82歳で没したとされます。ところが英語版では没年を紀元前196年頃、年齢を80歳と記しており、日本語版と異なります。古代の人物の年代は、資料によって揺れがあることがわかります。視力の衰えの後、食を絶って自ら死を選んだといわれます。
練習:「2番目」を英語で書いてみよう
「β」の二つの解釈を使って、短い英作文に挑戦してみてください。
- お題:エラトステネスの「Beta」を、称賛の意味と皮肉の意味でそれぞれ一文の英語にする。
- 例(自作の練習用で、実際の発言ではありません):
Some people saw him as a master of many fields./Others saw him as always second best. - 解説:どちらの文も、資料にある「万能選手」と「2番手」という二つの見方を言い換えたものです。自分の言葉で、立場の違いが伝わる動詞や形容詞を選んでみましょう。
余裕があれば、250,000と252,000スタディアの違いを一文でまとめたり、エラトステネスの篩を1から30まで手書きして、消去の手順を順番に説明したりしてみてください。