『グレート・ギャツビー』はどんな話?フィッツジェラルドのジャズ・エイジ小説をやさしく解説

『グレート・ギャツビー』は、失った恋を取り戻そうとする謎の大富豪を描いたフィッツジェラルドの1925年の小説です。あらすじ、象徴、テーマを紹介します。

『グレート・ギャツビー』は、アメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルドが1925年に発表した短い長編小説です。謎めいた大富豪ジェイ・ギャツビーが、何年も前に愛したデイジー・ブキャナンを取り戻そうと、ロングアイランドで盛大なパーティーを開き続ける物語です。 1922年の夏を舞台に、ジャズ・エイジの富と欲望、そして「アメリカン・ドリーム」を、きらびやかに、最後は悲劇的に描きます。発表当時の売れ行きはほどほどでしたが、今ではアメリカで最も広く読まれる小説の一つです。

ジャズ・エイジの作家

フィッツジェラルド(1896–1940年)は最初の長編で若くして有名になり、妻ゼルダとともに華やかで酒びたりの1920年代の象徴になりました。 この時代を「ジャズ・エイジ」と呼ぶ言い方を広めたのも彼です。華やかさの裏には借金や酒の問題、ゼルダの病気がありました。彼は自分を失敗者だと思ったまま44歳で亡くなり、『ギャツビー』が名作になることを知りませんでした。

あらすじ

語り手のニック・キャラウェイは中西部出身の青年で、ニューヨークで債券の仕事をするためロングアイランドのウエスト・エッグに引っ越してきます。隣に住むのがギャツビーです。巨大な邸宅で毎週のようにパーティーを開き、何百人もの見知らぬ人が集まるのに、彼の正体を知る人はほとんどいません。 湾の向こうの、古くからの金持ちが住むイースト・エッグには、ニックのいとこデイジーと、裕福で傲慢な夫トム・ブキャナンが暮らしています。

ニックは、ギャツビーとデイジーが5年前、ギャツビーが戦争に行く前に恋をしていたことを知ります。当時ギャツビーは貧しく、デイジーはトムと結婚しました。その後ギャツビーは、怪しい商売も使って財産を築き、デイジーの家の桟橋の先に灯る緑の光を湾ごしに見られる場所に家を買ったのです。 ニックの手引きで二人は再会し、関係を取り戻していきます。

しかし過去はそのままくり返せません。暑いニューヨークのホテルの一室で、トムはギャツビーの素性をあばき、デイジーは夫と別れることができません。帰り道、ギャツビーの車を運転していたデイジーは、トムの愛人マートルをはねて死なせてしまいます。ギャツビーはデイジーをかばって罪をかぶります。マートルの夫は、ギャツビーが運転していて妻の愛人だったと思いこみ、ギャツビーを撃ち、自らも命を絶ちます。 葬儀にはほとんどだれも来ず、無責任な金持ちたちにうんざりしたニックは中西部へ帰っていきます。

緑の光とほかの象徴

湾の向こうの緑の光は、ギャツビーの希望とデイジーへの夢、いつも手が届きそうで届かないものを表しています。ロングアイランドと都会のあいだの灰色の「灰の谷」を見下ろす古い眼科医の看板の巨大な目は、むなしい、神なき視線として読まれることが多いです。

グレートネックからリヴィエラへ

フィッツジェラルドがこの小説の構想を練りはじめたのは1922年6月で、同じ年の10月にはニューヨーク郊外のグレートネックに移り住みました。 下書きが仕上がったのは1924年、南フランスのリヴィエラに移ってからのことで、その冬にはローマで原稿に手を入れつづけています。 ほぼ完成した原稿を編集者マックスウェル・パーキンズに送ったのが1924年10月27日、最終稿を渡したのが1925年2月でした。 本はチャールズ・スクリブナーズ・サンズ社から1925年4月10日に出版されました。 題名にも迷いがありました。作者は『ウエスト・エッグのトリマルキオ』という題を考えていましたが、わかりにくすぎるとパーキンズに説得されてあきらめています。ほかにも『灰の山と百万長者たち』『金色の帽子のギャツビー』などの候補がありました。

表紙の「天空の目」

初版のカバー絵を描いたのはバルセロナ出身の画家フランシス・クガットで、「天空の目」と呼ばれるこの絵は、彼が手がけた生涯ただ一つの本の表紙でした。 パーキンズはこれを傑作とほめ、フィッツジェラルドは、クガットの絵のイメージを小説の中に取りこんだと語っています。 灰の谷を見下ろす看板の目と重ねて読むと、表紙と物語が呼び合っているのがわかります。

売れなかった名作が復活するまで

出版の年の10月までに売れたのは2万部足らずで、作者の帳簿によれば、この本から得た収入はわずか2,000ドルほどでした。 本を早く出すために、雑誌連載の権利に1万ドルを払うという申し出まで断っていたのにです。 流れが変わったのは第二次世界大戦中でした。1942年の春から、戦時図書協議会が前線の兵士にペーパーバックの「軍隊文庫」を配りはじめ、『ギャツビー』もその一冊に選ばれます。数年のうちに15万5千部が海外の米兵の手に渡りました。 2020年初めの時点で世界での販売は3,000万部近くに達し、今も毎年50万部ほど売れつづけています。 アメリカでの著作権は2021年1月1日に切れ、パブリック・ドメインになりました。

ギャツビーで覚える英語表現

表現 意味 例文
old money 代々の金持ち They're old money.
new money 成り金 The new money crowd loved big parties.
the green light ゴーサイン We got the green light for the project.
keep up appearances 体裁をつくろう They kept up appearances despite their debts.
live in the past 過去に生きる Stop living in the past.

練習問題: いま追いかけている目標について、「the green light」「live in the past」を使って英語で三文書いてみましょう。

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