ガウスは何がすごいのか?「数学の王」の業績をやさしく解説

ガウスは何がすごいのか?「数学の王」の業績をやさしく解説

ガウスは正十七角形の作図、整数論の体系化、準惑星ケレスの軌道予測、最小二乗法、地磁気の測定など、数学と科学の幅広い分野で大きな業績を残しました。

カール・フリードリヒ・ガウス(1777–1855)のすごさは、ひとつの分野にとどまらないことです。19歳で正十七角形が定規とコンパスで作図できることを示し、整数論を体系化した本を書き、行方不明になった準惑星ケレスの位置を予測し、最小二乗法を生み出し、ヴィルヘルム・ヴェーバーとともに最初の電磁式電信機を作りました。 統計でおなじみの釣り鐘型の「正規分布」も、彼の名を取って「ガウス分布」と呼ばれます。 没後まもなく作られた記念メダルには「数学者の王」と刻まれました。

れんが職人の息子

ガウスは1777年4月30日、現在のドイツにあたるブラウンシュヴァイクで生まれました。 父は肉屋、れんが職人、庭師などをして働き、母はほとんど字が読めなかったといいます。 才能に気づいた学校の先生たちが彼をブラウンシュヴァイク公に紹介し、公爵の援助でコレギウム・カロリヌム、さらにゲッティンゲン大学で学ぶことができました。

1から100までの足し算

先生が「1から100まで全部足しなさい」と言ったところ、幼いガウスがすぐに5050と答えた、という話は有名です。ただしこれは広く知られた逸話で、確かな記録ではありません。

それでも、考え方は本物です。1と100、2と99、3と98のように端から組にすると、どれも101になります。組は50個あるので、50かける101で5050。 力ずくで計算せず、まず「型」を見つける。これこそガウスらしい発想です。

正十七角形が進路を決めた

古代ギリシャ以来、定規とコンパスで正三角形や正五角形などは描けましたが、その先は2000年以上進展がありませんでした。1796年、ガウスは正十七角形も作図できることを示し、これが2000年以上ぶりの前進になりました。 17が「フェルマー素数」という特別な数だからで、知られているフェルマー素数は3、5、17、257、65537の5つだけです。 言語学と数学のどちらに進むか迷っていたガウスは、この発見をきっかけに数学を選びました。

整数論の教科書とケレスの発見

1799年にヘルムシュテット大学で、代数学の基本定理を証明した論文によって博士号を取得しました。 1801年には『整数論研究(ディスクイジティオネス・アリトメティカエ)』を出版し、整数論をひとつの学問として確立しました。

同じ1801年の元日、イタリアの天文学者ピアッツィが小さな天体ケレスを見つけましたが、まもなく太陽の光に紛れて見失われます。ガウスは少ない観測データから軌道を計算して再出現の位置を予測し、その誤差は約0.5度。12月にツァハが、続いてオルバースがケレスを再発見しました。 この成功の裏には、誤差を含む多くのデータから「いちばんもっともらしい答え」を選ぶ最小二乗法がありました。ガウスはルジャンドルが発表する前にこの方法を見つけていました。

大地を測り、磁気を測る

1807年にゲッティンゲン大学の教授兼天文台長となり、亡くなるまでその地位にありました。 その前年の1806年、彼を援助してきたブラウンシュヴァイク公が戦死し、翌年には公国そのものがなくなって援助は途絶えていました。 それでも彼はゲッティンゲンを離れず、1810年と1825年には、講義の義務なしでプロイセン科学アカデミーの正会員に迎えるというベルリンからの誘いを二度とも断っています。 1837年、国王が憲法を廃止したことに抗議した「ゲッティンゲン七教授」が全員解任されたとき、ガウスは深く心を痛めましたが、助ける手立ては見つけられませんでした。 学ぶ意欲は晩年まで衰えず、62歳でロシア語の独学を始めています。ロバチェフスキーの非ユークリッド幾何学の論文などを読むためだったと考えられています。 1820年から1844年にはハノーファー王国の測量を指揮し、太陽光を鏡で遠くに反射させる「ヘリオトロープ」という器具も発明しました。 曲面の曲がり具合は面の上での測定だけで決まるという「驚異の定理」も、この時期の成果です。 1832年には地磁気を初めて絶対値で測定し、1833年にはヴェーバーと電信機を作りました。

最小二乗法は今も身近にある

最小二乗法の考え方は、意外なほど身近です。測定には必ず小さな誤差が混じります。そこで、たくさんの観測値とのずれをそれぞれ二乗して合計し、その合計がいちばん小さくなる答えを選ぶ。こうすると、一つひとつは不正確なデータからでも、全体としてもっとも信頼できる答えが得られます。スマートフォンの位置推定や、散らばった点に「いちばん合う直線」を引くグラフなど、現代のデータ分析の多くがこの発想の子孫です。

「驚異の定理」もイメージで考えるとわかりやすくなります。ボールの表面から一度も離れないアリがいたとしても、表面の上で距離と角度を丁寧に測れば、自分が曲がった世界に住んでいることに気づける、というのです。地図づくりのための測量が、こうした深い幾何学の発見につながったのは面白いところです。

「少なく、しかし熟したものを」

ガウスの印章には「パウカ・セド・マトゥラ(少なく、しかし熟したもの)」というラテン語が刻まれ、未完成だと思う研究は発表しませんでした。 非ユークリッド幾何学を最初に研究したとされながら、それを公にしなかったのもそのためです。1824年の手紙では、相手にその考えを公に使うことを強く禁じています。 私生活では、最初の妻ヨハンナを1809年に、二番目の妻ミンナを1831年に亡くしました。1855年2月23日、ゲッティンゲンで77歳で亡くなりました。

ガウスで学ぶ日本語表現

表現 意味 例文
法則に気づく くり返しのルールを見つける 動詞の活用の法則に気づいた。
近道 早く着く方法 単語を覚える近道はない。
量より質 多さよりよさが大切 勉強は量より質だ。
頭角を現す 才能が目立ち始める 彼は子どもの頃から頭角を現した。
答えを導く 考えて結論を出す 例文から答えを導いた。

練習: ガウスのように「型」を探す目で、あなたが学んでいる言語で気づいた法則を、「法則に気づく」「量より質」を使って日本語で3文書いてみましょう。

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